IT関連の人材派遣や研修を手がけるエージェントは、talental(東京都渋谷区)を子会社化することで、新規事業の創出やグループで手がける事業開発支援プロジェクトの品質向上などの相乗効果を見込む。talentalの人材ネットワークを活用した自治体協働案件の拡大も期待している。talentalはBizDev(事業開発)領域に特化した副業・フリーランス人材のレンタルサービスが主力事業。同社は売上高3360万円、営業利益950万円、純資産1240万円(2025年8月期)。
金属、プラスチックのリサイクル事業や不動産事業などを展開する新都ホールディングスは、リサイクル業の栄新商事(京都府宇治市)を子会社化することで、関西圏での拠点確保や仕入れ網の拡充による業績拡大を見込む。栄新商事は電線やラジエーターなどから非鉄金属や鉄スクラップを再資源化し、大手電線メーカーや精錬メーカーに供給している。同社は売上高181億円、営業利益2億6200万円、純資産3億1700万円(2025年3月期)。新都HDは株式交付の手続きにより栄新商事の株式約51%を取得する。
投資会社のSilverCape Investments Limited(英領ケイマン諸島)は、インターネット広告代理店のデジタルホールディングスにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。デジタルHDには現在、博報堂DYホールディングスが1株につき1970円でTOBを実施中。SilverCapeは博報堂の買付価格について「(デジタルHDの)潜在的価値及び長期的価値を過小評価するもの」としており、博報堂より410円高い2380円の買付価格を提案している。
外食チェーンのSANKO MARKETING FOODSは2023年、加工食品輸出入のガリュウトレーディング(東京都新宿区)と合弁でSANKO INTERNATIONAL(東京都新宿区)を設立。グループ内の特定技能をはじめとした海外人材の受け入れに関して一定の成果があったが、SANKO INTERNATIONALの海外人材紹介事業を今後より広く展開するには、ガリュウトレーディングの支配下とするのが最善と判断した。SANKO INTERNATIONALは売上高1700万円、営業利益0百万円、純資産600万円(2025年6月期)。
不動産仲介関連サービスをTERASSは、センチュリー21加盟店のFJグループ(神奈川県藤沢市)傘下の湘南乃工務店(横浜市)の全株式を取得し、子社化した。
建築物の確認検査や住宅性能評価などを手がけるERIホールディングスは、小型ドローンの開発・販売事業を展開するTOMPLA(川崎市)を子会社化することで、ドローン技術を自社事業に取り入れ、事業の安全性と効率性の向上につなげる。
動物病院を全国展開するWOLVES HANDは、飛鳥メディカル(京都市)の医療用機械器具の開発・製造・販売事業を新設分割で承継する飛鳥メディカル承継(同)を完全子会社化することで、自社の動物医療に関する症例や知見、研究開発との相乗効果に期待している。
イオン九州は、大分県で食品スーパーなど23店舗を運営するトキハインダストリー(大分市)を完全子会社化することで、同県でのドミナント強化を図る。
輸入車販売事業を手がけるウイルプラスホールディングスは、同業のグランシエルセキショウ(茨城県つくば市)から福島県郡山市のプジョー正規ディーラー1店舗を取得し、東北エリアでの販売・サービス体制の強化を図る。
首都圏でカラオケ店や飲食店などを運営する鉄人化ホールディングスは、自社事業の人手不足を背景に人材派遣業のヴァンクールプロモーション(東京都港区)を子会社化することで人材確保を見込む。出資比率は80%。
チャットボットなどのシステム開発を手がけるL is Bは、BIMソフトウエアを開発・運営するIU BIM STUDIO(大阪市)を子会社化することで、現場DXの対応領域を拡充し、クロスセル推進や新たなソリューションの創出などの相乗効果を見込む。BIMはビルディング・インフォメーション・モデリングの略で、建築物の立体モデルをシステム上で再現し、設計・施工・維持管理などのデータを一括管理するワークフローを意味する。IU BIM STUDIOは売上高3億9400万円、営業利益3500万円、純資産7600万円(2024年10月期)。
エンタテインメント関連事業などを手がけるTHE WHY HOW DO COMPANYは、長期保有型のM&Aと自社AI技術を活用した取り組みにより、中長期目標であるグループEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)10億円の実現を目指している。子会社化するグッドマン(横浜市)は電気・通信・水道といった社会インフラの保守点検に使われる測定機・探索機の輸入販売や製造で実績を築き、近年では、AI技術を用いた地下配管改修モデルを構築している。同社を取り込み、自社のAIのノウハウを融合することで、製品ラインアップの拡充や販売チャネルの多角化、事業運営の効率化などの相乗効果が見込めると判断した。グッドマンは売上高4億1300万円、営業利益4000万円、純資産1億2600万円(2024年12月期)。
エイチ・アイ・エスは中期経営計画(2024~2026年10月期)で「新規領域への挑戦」を掲げており、事業多角化の一環。土産品店「KID HOUSE」6店舗を運営するサウスウイング(那覇市)を子会社化することで、ツアー客の誘致や沖縄県での収益基盤の強化につなげる狙い。サウスウイングは売上高9億9800万円、営業利益1億7400万円、純資産9億8900万円(2025年8月期)。
技術承継機構は、中古フォークリフトの買取・販売・レンタル・メンテナンスなどを手がけるアドバンス(⼤阪市)を完全子会社化することで同社の経営を支援し、グループ拡大を図る。
葬儀大手の燦ホールディングスは、葬儀事業や石材販売を手がけるこころネットを完全子会社化することで、出店エリアの相互補完やノウハウの相互活用による葬儀事業の拡大、事業運営の効率化などの相乗効果を見込む。これにより、核家族化の進行やコロナ禍を契機とした葬儀の小規模化・簡素化に対応する。
小型直流モーター大手のマブチモーターは、精密小型モーターやモーションコントロール製品を製造する日本パルスモーター(東京都文京区)を完全子会社化することで、自動車・機械・医療分野での事業領域拡大を見込む。
医療機器卸のメディアスホールディングスは、長野県を地盤とする医療機器専門商社の共栄医科器械(長野市)を子会社化することで、同県での事業価値向上やスケールメリットなどを見込む。
AI(人工知能)関連の投資事業を手がけているAIフュージョンキャピタルグループは、持ち分法適用関連会社でSNSマーケティングのラバブルマーケティンググループを子会社化することで、顧客の相互紹介や新たなサービスの開発・提供などの相乗効果を強化する。
産業資材大手のコンドーテックは、堅調な推移が見込まれる沖縄県の建設需要を取り込むため、建設資材を製造・販売する琉球ブリッジ(沖縄県浦添市)を子会社化する。琉球ブリッジは商品開発から製造・物流・販売までを一気通貫で行い、沖縄県の建設業者を中心に強固な顧客基盤を構築しているという。同社は売上高5億7700万円、営業利益3100万円、純資産1億9800万円(2025年5月期)。
産業資材大手のコンドーテックは、工事現場で使用される仮囲い材などを製造・販売する鈴東(東京都千代田区)を子会社化し、工事現場向け資材の製造機能の拡充を図る。鈴東は他社製品も含めたさまざまな製品の販売・レンタルも手がけており、コンドーテックはレンタルなど物販以外の販売手段の拡充も期待している。鈴東は売上高27億3000万円、営業利益6400万円、純資産4億6400万円(2025年3月期)。
BTMはエンジニアと企業のマッチング事業を主力としている。山形県に拠点を持つクエスト・システム・デザイン(東京都港区)を子会社化し、東北地方でのエンジニアの採用強化や顧客基盤の拡大を進める。クエスト・システム・デザインはシステムの構築・企画・コンサルティングを手がけ、山形のエンジニアが東京の案件にリモートで参画するスキームの構築など、東北地方のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に取り組んでいる。同社は売上高2億2100万円、営業利益1310万円、純資産3120万円(2025年3月期)。
中外製薬は、指定難病であるIgA腎症の新薬「sparsentan」の日本、韓国、台湾における独占的開発・販売権を取得することを目的に、同薬を開発・販売するレナリスファーマ(東京都中央区)を子会社化する。IgA腎症は進行すると腎移植や透析が必要となるが、既存の薬物治療では十分な効果が得られない場合も多く、有効な治療法が求められている。中外製薬は経営戦略の一つに「革新的な医薬品の提供」を掲げており、今回のsparsentanの獲得はその戦略的投資の一環。
大手アパレルのTSIホールディングスは、ブランドポートフォリオの拡大と新市場領域への進出を重要な成長戦略の一つとして掲げており、その一環。ウォーターフロント(東京都渋谷区)は傘ブランド「Waterfront」を展開し、デザイン性・機能性を持つ雨傘や日傘を提供している。同社は売上高30億円、営業利益2億4100万円、純資産15億6000万円(2024年12月期)。