M&Aで巨大企業になった代表銘柄の楽天。大手国内インターネット通販(EC)サイト「楽天市場」で成長し、2017年4月までに国内で10件のEC関連企業買収を成し遂げた。が、2017年以降はEC企業の買収はなく、脱通信販売の傾向が強まっている。
「2020年に人材領域でグローバルNo.1になる」との目標をかかげるリクルートホールディングスの戦略がはっきりと見えてきた。峰岸真澄社長兼CEOがM&Aに積極的な姿勢を表明。最後の仕上げにM&Aが大きな役割を果たすことになりそうだ。
三井倉庫HDは2010年代前半にM&Aによる拡大路線を推し進めた。積極的なM&Aは業界3位が指定席だった同社をトップに押し上げる原動力になった。ただ、名実ともリーディングカンパニーとして地歩を確立するには財務体質の改善など課題が山積している。
ソフトバンクグループのM&A戦略が大きな曲がり角を迎えている。いや、それどころか事業拡大のためのM&Aから手を引くそぶりさえみせているという。前回の「M&Aアーカイブス」(2016年12月23日)掲載以降に起こった、同社のM&A戦略を追う。
エア・ウォーターが産業ガスメーカーと呼ばれなくなる日が近づいてきたようだ。祖業である産業ガスの売上高に占める割合が20 % ほどに低下しており、さらに発電事業に戦略的に投資する計画を表明するなど、脱産業ガスの流れが加速しているからだ。
新日鉄住金が反転攻勢の姿勢を鮮明にしている。中期経営計画で事業投資枠を従来中計の2倍の6000億円と設定。現在進行中のM&A案件はインド鉄鋼大手の共同買収、山陽特殊製鋼の子会社化など目白押しだ。来年4月には「日本製鉄」への社名変更を控える。
食品用トレー最大手のエフピコが事業拡大を急ピッチで進めている。2017年から再生PET樹脂の生産力を増強、2018年5月には共同出資で新たなグラビア印刷工場を稼働した。積極投資で業界トップの地位は不動。この「快進撃」の原動力がM&Aだ。
オリックスは「金融」と「モノ(物件)」を両輪に事業領域を縦横に広げてきた。リースに始まり、投融資、銀行、生保、不動産、資産運用、環境エネルギー、自動車関連、球団経営まで多方面に及ぶ。そのアクセル役が積極的なM&A戦略にほかならない。
ソニ-が自動車会社になる日は訪れるだろうか。2020年までの3年間は安定した収益が見込める楽曲著作権で支え、その後は車の自動運転で利益を生み出そうとするソニーの戦略が見えてきた。初の商品を多く生み出してきたソニーだけに期待は大きい。
中部電力が「電力再編」の荒波に飲み込まれている。再編相手と目されているのは国内電力最大手の東京電力HD。東電との合弁企業であるJERAは2019年4月に火力発電事業の一本化に踏み出す。中部電と東電の本体同士の経営統合も現実味を帯びてきた。
ミライトHDはNTT向けを中心とする通信工事業界3強の一角を占める。コムシスHD、協和エクシオに続く3番手だが、M&Aに関しては互角だ。M&Aを積極活用し、新エネや電気・空調設備、アジア市場など新事業領域を拡大してきた。
江戸時代に大阪・道修町で産声を上げた武田薬品工業は、数々のM&Aによって成長し、フランス人社長が率いる世界企業となった。日本では過去最高額となる約6兆8000億円を投じるアイルランドの製薬会社シャイア―の買収にも自信たっぷりだ。
世界最大の板ガラスメーカー・旭硝子が積極的なM&Aに乗り出している。しかも、全くの畑違いの異業種で、だ。装置産業であるガラスメーカーだけに、得意の板ガラスへ経営資源を集中して生産量でライバルを凌駕するのが最適に思えるが、同社の選択は違った。
日立造船が今後10数年をかけて売上高1兆円を目指すという壮大な計画を伴った航海に出た。2030年に達成する目標として1兆円の売上高のほかに、営業利益率10%以上、海外売上高比率50%以上という数値を掲げた。
文化シヤッターは建設関連需要で盛り上がる「東京五輪」後を見据えて、海外市場開拓を本格化している。海外売上比率は1%に満たず、大きく出遅れている。その同社が3月、50億円超を投じて初の海外M&Aを実施し、豪州の有力建材メーカーを子会社化した。
大林組は2011年から海外で積極的なクロスボーダーM&Aを展開し、短期間のうちに海外事業を拡大してきた。現在、大林組の海外売上比率は約25%と、国内ゼネコンでもトップクラス。「グローバル展開の優等生」といえる。そんな優等生も大きな課題を抱えている。
積水ハウスが海外市場の開拓に力を入れている。第4次中期経営計画(2018年1月期-2020年1月期)で新たな事業の柱として「国際ビジネス」育成の方針を打ち出したためで、中期経営計画がスタートした直後にM&Aを実施し、米国での住宅販売事業に参入した。
タカラトミーが成長軌道に復帰しつつある。米国事業での構造改革費用がかさみ、過去5年で3度の最終赤字に陥ったが、2018年3月期は2年連続で最終黒字を見込む。タカラトミーが合併で発足して早12年、長いトンネルを抜け、攻めの経営へ視界が開けてきた。
高松コンストラクショングループは関西発祥の中堅ゼネコン。2017年には協和銀行(現・りそな銀行)出身の吉武宣彦が社長に就任、翌年には中核企業の高松建設でオーナー一族の社長が就任するなど新体制づくりが進む。成長戦略の要は企業買収・合併(M&A)だ。
ラオックスが大きく経営の舵を切る。これまでは中国人観光客向け免税品の売上高が全体の75%を占めていたが、3年後にはこの比率を37%ほどに引き下げる。免税品以外の事業の売り上げを伸ばし実現する。同時に全体の売上高を3年間で2.5倍に高める。
飯田グループホールディングスは「戸建分譲・日本一」を誇る。その販売数はグループ6社で4万戸を超え、他を圧倒する。低価格帯の分譲住宅を主力とするパワービルダーの代名詞的存在だ。住宅業界を騒然とさせた前代未聞の経営統合から5年。現在の姿は?
2018年4月、桧家ホールディングスが「ヒノキヤグループ」に社名変更した。これに先立つ同年3月、同社は東証一部に上場している。創業からわずか30年で押しも押されもせぬ注文住宅会社となったヒノキヤグループ。急成長の原動力となったのはM&Aだった。
110年間、ハトメやホックなどを手がけているモリトは、マリンレジャーやスノーボードなどスポーツ用品の輸入販売を手がけるマニューバーライン子会社化した。中期経営計画に盛り込んだM&A推進方針に沿ったもので、今後も同様の企業買収がありそうだ。
住友林業は2009年以降、豪州で2社、米国で4社の住宅メーカーを矢継ぎ早に傘下に収めた。海外での年間住宅販売は9000棟に迫り、数量では国内販売を上回る。その海外住宅事業は今や全売上高の四分の一を占めるまでに大躍進した。快進撃はどこまで続くのか。
サカタのタネが海外市場へ積極的に進出している。理由は新興国の人口増と食の西洋化に伴う洋食野菜の需要増だ。しかし、世界最大手の米モンサントが独バイエルに買収されるなど、業界地図は大きく変わろうとしている。サカタのタネはこの乱戦を生き残れるか。